☆メスガニがお腹に抱いている卵はどうして黒っぽいの?

 

私たちが食卓でよく目にするメスガニの卵が黒みを帯びているのは、卵内での発生が進行し、孵化直前の状態となった際に漁獲を行われたためです。
メスガニの胎内から産み出された直後の卵というのは、その内部にだいだい色の卵黄を大量に蓄えているため、抱えている卵を外側から見た場合でも全体的にそのような色合いをしていることが確認できます。

 

そしてそこから卵内での発生に伴って栄養素となる卵黄が徐々に消費されていくのに対し、つくり出され始めた身体の中では主に黒を基調とする色素が生成されるため、発生が進行すればするほどに卵は黒みを帯びたものとなってくるのです。

 

また、漁業者はこれら産卵直後のまだ若い卵を抱えるメスガニを保護するため、そういった卵を産み終えたばかりのメスガニの漁獲は行わないことにしています。

 

 

☆メスガニはその全てが卵を抱いているの?

 

結論から言ってしまうと、卵を抱えていないメスガニというのも確かに存在しています。

しかし、私たちが目にすることは非常に難しいものとなっています。
一般的に食材として販売されているメスガニはその全てが卵を抱えた状態で扱われていますから、一見して卵を抱えていないメスガニは存在しないように見受けられます。

 

しかしこれは、漁業の規定によって「卵を抱えられるまでに成長していない(つまり、成体となっていない)メスガニの漁獲は行ってはいけない」と定められているからであり、孵化をしてから成体となるまでの十年前後はいっさい卵を抱えません。

 

また、成体となったメスガニは直後に交尾・産卵を行って卵を抱えます。そこから卵が孵化するまでに約一年半ほど掛かりますが、卵が無事に全て孵化を終えた後にはその一週間以内に再び交尾・産卵を行って卵を抱え、今度は一年ほど後に卵を孵化させます。

孵化までに一年半ほど掛かるのは、生涯で最初の孵化を行う際のみのようです。

メスガニは生涯このライフサイクルを繰り返しますから、成体となったメスガニで卵を抱えていない個体を見られるのは、およそ一週間ほどということになります。

 

さらに卵の孵化を行う時期はメスガニの漁獲時期を過ぎた二月頃となりますから、一般的に卵を抱えていないメスガニを見られる機会というものはほとんどないのです。
ちなみに、交尾・産卵・孵化といった一連の生殖行動の流れは以下のようになっています。

 

・六月~八月
十回目の最終脱皮→交尾→産卵
・翌々年二月
孵化→交尾→産卵
・翌年二月
孵化→交尾→産卵

 

これ以降は一年ごとの繰り返しとなります。